2017年4月6日木曜日

吾妻・弘法山公園散歩


(コース概要)

(「小田急・鶴巻温泉」駅から吾妻山を経由し、弘法山から「小田急・秦野」駅へ下るコース)

 弘法山は、大山から南に延びる稜線の最南端にある丘陵部で、駅前から気軽に歩けるコースとして人気があり、特に桜の咲く季節を中心に、週末には訪れる人々で賑わう。
 
 前半は、小田急・鶴巻温泉駅から吾妻山を経由し、緩やかな尾根道を弘法山・山頂の釈迦堂(しゃかんどう)へと登って行く。
 後半は、弘法山から権現山を経由し、浅間山を経て秦野市街へと下山。弘法山から権現山へと続く尾根道は比較的平坦で、かつては草競馬が行われ、鉄砲馬場とも呼ばれた桜並木の続く道。
 権現山山頂は、千畳敷とも呼ばれるほど広々として、展望台があり富士山、箱根連山、表丹沢、大山、湘南海岸までが一望できる。

 下山したところで、水無川沿いを「小田急・秦野」駅へと向かう約2時間30分の散歩。
 

(コース)
 1.「小田急・鶴巻温泉」駅 →(90分/4.0㎞)弘法山
 ・「小田急・鶴巻温泉」駅 → 坪ノ内バス停・分岐 → 吾妻山 → 善波峠・分岐 → 国道246号・分岐 → めんようの里・分岐 → 弘法山

2.弘法山 →(60分/3.5㎞)「小田急・秦野」駅
 ・弘法山 → 権現山 → 浅間山 → 弘法山公園入口 → 河原町・交差点 → 新常盤橋・交差点 → 弘法の清水 → 「小田急・秦野」駅

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(所要時間)
・約2時間30分/歩行距離:約7.5km (時間/距離ともに参考程度とする)

(備 考)
・記 録:2017年 04月05日
・アクセス:「小田急・鶴巻温泉」駅
      「小田急・秦野」駅


(動 画)


●YouTube 吾妻・弘法山公園散歩https://youtu.be/srDVCgYZIZs



(吾妻・弘法山公園散歩みち)





吾妻・弘法山散歩/独案内(2017/04/05)

1.起点・「小田急・鶴巻温泉」駅から吾妻山へ


▶ 小田急・鶴巻温泉駅北口の改札を出ると、駅前の車道を反対側に渡り、歩道を左に行くと歩道の左に「吾妻山(0.9km)・弘法山(3.9km)」の道しるべがある。
 道しるべに従ってその先の角を右に入ると「弘法の里湯」があり、その前を通過すると
Y字路(二又路)を左へ進む。

● 小田急・鶴巻温泉駅前
小田急・鶴巻温泉駅
駅前の吾妻山・道しるべ








「弘法の里湯」前













二又路
「弘法の里湯」













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▶ 「大和旅館」の前を通り過ぎ、温泉旅館・陣屋の看板が立っている丁字路を左に行くと、東名高速の高架下に出る。

● 温泉旅館・陣屋の看板・丁字路
陣屋の看板
丁字路・左へ













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▶ 東名高速の高架下の通路を抜けると、出口の左側斜面の坂道を山側に向って上って行く。 

● 東名高速の高架下通路
東名高速・高架下通路へ
高架下・吾妻山道しるべ













高架下通路・出口側道しるべ
斜面の坂道













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▶ 民家横の山道が、吾妻山へのハイキングコース入口で、林の中の登山道を上って行くと、小尾根に出たところで尾根の反対側の坪ノ内バス停(善波・国道246号)方面からの道に合流する。
 坪ノ内バス停・分岐点から、左へ尾根沿いに延びる道を約200mほど上って行くと、ほどなく吾妻山・山頂へ到着。

● 吾妻山・ハイキングコース
民家横の山道
坪ノ内バス停・分岐













木段の上り
なだらかな尾根道













● 吾妻山・山頂
 吾妻山は、標高125m程の小高い丘といった感じの山。山頂には日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀る「吾妻神社」の石碑と、東屋風の休憩所があり、初冬から春にかけての落葉した木立の間からは、眼下に小田急沿線の街並みを望むことが出来る。
吾妻山・山頂
吾妻山・山頂








山頂・「吾妻神社」














2.吾妻山から権現山(弘法山公園)へ


▶ 吾妻山から次の弘法山までは約3km、この先、時々アップダウンはあるものの、雑木林の中を通るのんびりとした尾根道歩きとなる。 しばらく行くと、やがて善波峠への分岐点に出る。 弘法山方面へは、善波峠・分岐を直進し、木段を上って行く。

● 弘法山・ハイキングコース
「東海大学前」駅・分岐
尾根道













● 善波峠・分岐
 ちなみに、分岐点を右に2~3分行くと旧善波峠がある。 善波峠は、伊勢原市と秦野市の境にあり、東海道の裏街道であった「矢倉沢往還」の要衝であった。現在、その街道の役割は、国道246号線に受け継がれていて、旧峠の切通跡には石仏が数体、昔を偲ぶかの様に並んでいるのみである。

 なお、善波峠からは、さらに高取山、蓑毛、大山山頂方面へとハイキングコースが続いている。
善波峠・分岐
善波峠経由大山/蓑毛・道しるべ













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▶ 善波峠・分岐を左へ上ってきたところで、道は一旦下りとなり、飲料用の自動販売機が並ぶ、国道246号・分岐点にでる。 弘法山までは約500m、道は一旦舗装された車道を行くが、直ぐに自動販売機の先で車道と分かれ、左の山道へと入って行く。

● 国道246号・分岐
国道246号・分岐
国道246号方面・道しるべ













めんようの里(車道)・分岐
めんようの里・分岐













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▶ 弘法山・山頂直下のシャガの花咲く木段を上って行くと、ひょっこりと釈迦堂(大師堂)裏に出る。

● 弘法山(弘法山公園)・山頂
 弘法山は標高235m、弘法大師(空海)修行の地と伝えられ、寺の境内を思わす山頂広場には、御堂や、鐘楼、弘法の「乳の井戸」と呼ばれる井戸などがある。

弘法山・山頂
弘法山・釈迦堂(大師堂)













● (釈迦堂・しゃかんどう)
 古くは「福泉庵(ふくせんあん)」と言う小堂があったが、その後、荒廃していたものを、江戸時代中期に山麓の龍法寺の僧・永芳(えいほう)が釈迦如来像と弘法大師像を祀り、「釈迦堂」としたのが始まりと言われる。
 その後の度重なる火災や、災害により釈迦如来像は焼失、御堂も長らく仮堂であったが、昭和39年に現在のお堂が建てられ、現在は僅かに残った弘法大師像(木像)のみが安置されている。

●(弘法の「乳の井戸」)
 言い伝えでは、この井戸から湧き出た水は白く濁り、乳の香りがしたということから、いつの頃からか、「この井戸の水を飲むと乳がよく出るようになる」と言われ、この水を求めて真夜中に、人知れず山に登る人が後を絶たなかったといわれている。また「この水で粥を焚き食せば乳の出がよくなる」との言い伝えもあり、昭和30年頃までは授乳期の母親や妊婦が、遠方からも水を求めて訪れたとも言う。 他にも眼病に効果があるなどの言い伝えもある。

●(鐘 楼)
 鐘楼は、山麓にある龍法寺の4世・梅禅上人らの発願で、周辺の村々の人たちによる寄進により、宝暦7年(1757年)に建立された。その後、山火事などにより焼失したが、享和元年(1801年)に再建、当時から「時をつげる鐘」として、また災害時には「災害の発生を知らせる鐘」として麓の人々に親しまれ、昭和31年頃まで毎日、時の鐘が搗き続けられてたと言う。ちなみに、現在の鐘楼は、幕末の慶応3年(1867年)に再建されたものと伝わる。

弘法山・乳の井戸
弘法山・鐘楼













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▶ 弘法山から次の権現山へと連なる稜線は、「馬場道(ばばみち)」とも呼ばれ、平坦で幅広い尾根道で、かつて草競馬が行われていたと言われている。現在は、桜並木の広い道が続いている。

● 弘法山公園・馬場道
弘法山公園・かながわの景勝50選
弘法山公園・鉄砲馬場跡













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▶ 権現山山頂への長い階段を上って行くと、千畳敷とも呼ばれる山頂広場に到着する。
標高243m、山頂には展望台があり、天気が良いと、大山から表丹沢の山々や箱根連山と富士山、さらに南には湘南、相模湾を望む事が出来る。

 弘法山から権現山、浅間山と連なる山域は、「弘法山公園」として整備され、桜の名所として桜の季節には多くの人々が訪れる。

● 権現山(弘法山公園)・山頂
権現山・山頂への階段上り
権現山(弘法山公園)・山頂広場













権現山(弘法山公園)・展望台
展望台より大山方面展望














3.権現山(弘法山公園)から「小田急・秦野」駅へ


▶ 権現山からは、展望台横の下山道を小田急・秦野駅へと下る。 木段を下り、浅間山・駐車場のある市道(車道)を横切ると、浅間山である。山上は細長く、東屋風の休憩所やベンチ、山名を示す表示板がなければ、どこが山頂なのか。 特に下山の場合は、ただの尾根道かと気が付かないで通り過ぎてしまうであろう。

● 権現山・下山道 
権現山・下山道道しるべ
権現山・下山道













市道・浅間山駐車場
市道・浅間山駐車場













権現山からの下山道
浅間山園地













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▶ 浅間山の小尾根から、急斜面の細い道をジグザグに下って行くと、弘法山公園・登山口となる小川の護岸の上に出る。階段横には「足元注意」の看板が立っている。
 護岸沿いに、すぐ下流側にある「秦野ハイフォン」と呼ばれる水道施設のフェンス前を通り、小橋を渡ると県道71号に出る。

● 下山道最後の細い急斜面の道
細い急斜面の道
細い急斜面の道













弘法山公園・登山口
県道・弘法山公園入口













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▶ 県道71号の横断歩道を渡り、県道に沿って左へ金目川に架かる「弘法橋」を渡り、さらに県道62号と交差する「河原町」交差点を渡ると、次の「新常盤橋」交差点で右折し、水無川・河川敷に作られた遊歩道を「秦野駅」方面へ向かう。 

● 河原町交差点から新常盤橋へ
河原町交差点
新常盤橋













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▶ 水無川の遊歩道から次の「常盤橋」で、河川敷を上がり橋の上に出ると、交差点の向い側に秦野地方名産の落花生の専門店で知られる「豆峰商店(まめみねしょうてん)」がある。 創業が明治41年と言う落花生の加工、販売の老舗で、その歴史を物語ように昔懐かしい風情の店構えが、創業以来変わらぬ味を守り続けるこだわりを感じさせてくれる。
 ちなみに、橋の上を通り、お店の前を斜めに「本町・四ツ角」交差点へ向かう道は、古くから「羽根尾みち(大山道)」と呼ばれた街道筋である。

● 水無川・遊歩道と常盤橋前の「豆峰商店」
水無川・遊歩道
常盤橋・「豆峰商店」













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▶ 「常盤橋」を渡り、右折すると、今年(2017年)3月に閉店したばかりの「イトーヨーカ堂・秦野店」の前を通り、水無川の右岸に沿って秦野駅へ向かう。

 途中、ニッポンレンタカーの営業所手前の角を左へ入って行くと、住宅街の民家の前に「弘法の清水」と呼ばれる湧水がある。「日本の名水100選」にも選定されている「秦野盆地湧水群」の中の一つで、弘法大師伝説の由来から「臼井戸」とも呼ばれる。

 再び、レンタカーの営業所前の通りに戻り、平成橋を過ぎたところで、交番の角を左に曲がると小田急・秦野駅(北口)に到着する。

● 弘法の清水から秦野駅(北口)
弘法の清水・入口
弘法の清水(臼井戸)













小田急・秦野駅(北口)
小田急・秦野駅(北口)