2015年4月20日月曜日

春が旬の魚・貝


● 鰹(カツオ)

 カツオは、熱帯の海から春先にかけて九州近海に来遊し、本州の太平洋南岸を北海道沿岸に向かって北上します。 この「上りカツオ」を『初ガツオ』とも呼びますが、一方、身に脂を乗せて晩夏から秋にかけて再び日本列島の太平洋沿岸を南下するのを「戻りカツオ」と呼びます。

 一般に、初夏の「上りガツオ」はあっさりして、秋の「戻りガツオ」は脂が乗ってこってり気味、ややしつこさがありあす。
 特に、江戸時代の江戸っ子たちが、しつこい脂を嫌い、『初ガツオ』のあっさり感を好み、珍重されたことから当時高価だったが、「女房を質に置いても食べたかった」というくらい美味であり、たたきや刺し身はもちろん、煮ても焼いても炊いても最高と言われた。

 かつてはマグロも赤身を最上としてトロは一段下に見られた時がありますが、トロが看板になった今でも「戻りガツオ」は脂がくどいと使わないすし屋も多くあるようです。

 ちなみに、『初ガツオ』は「戻りガツオ」と比べて極めて低カロリーで、脂質はほぼ10分の1、エネルギー量は100グラム当たり114キロカロリーと3分の2ほどです。
 肉類に比べれば、その半分の低カロリーで、肥満気味で生活習慣病が気になる方にとりましては最適な健康食です。

 栄養価としては、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)といった脂肪酸を多く含み、DHAには脳の機能を高める働きがあり、一方のEPAは血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、心臓病や脳卒中を防ぐ作用で知られています。




● 鰊(ニシン)