2014年5月2日金曜日

野菜/くだもの


● 豆苗(とうみょう)

豆苗(とうみょう、トウミョウ)
 豆苗(とうみょう)は、本来、エンドウ豆が発芽し、本葉が出て、ある程度の大きさになった芽の先端を摘み取って食用にしたもので、名前の通り、豆の苗です。

 中国では古くから食材として収穫され、手間がかかることから高値で取引されてきたようですが、日本では、キヌサヤエンドウやサトウエンドウなどを水耕栽培し、発芽したての根付きの若芽、いわゆるスプラウトが豆苗(とうみょう)として流通し、一般に豆苗(とうみょう)と言えばこちらを指すようになりました。

 最近、スーパーなどでも様々なスプラウトが並んでいますが、豆苗(とうみょう)も、その他のスプラウトと同じように、植物工場(ハウスや園芸施設など)で栽培され、温度や水の量などのコントロールがしやすく、虫も付かないので生産管理が行き届いており、台風や長雨、寒波などの自然災害や気象条件にも左右されることもないため、必要に応じて生産出荷されることから、価格も安定していて、使いやすい野菜と言えます。
 とくに、近年、気象の影響で葉もの野菜が高騰している時などは、これらの野菜が重宝されていることも多いい。く
(豆苗の旬)

 スプラウトである豆苗(とうみょう)は、ハウスや施設内で栽培され、通年安定して流通しており、特に旬は感じられません。
 ただし、本来の豆苗(とうみょう)は、ハウス又は露地栽培され、通常の豆と同様、早春に種まきをし、発芽してツルが出る前の3月から5月にかけてが、収穫時期になるので、食べ頃の旬の時期はその時期と言えなくもない。

(豆苗の栄養価と効能)

 豆苗には、食物繊維のほか、βカロチン、ビタミンB群、ビタミンKや葉酸などが豊富に含まれていると言われています。
 「βカロチン」は、ホウレンソウなどよりも多く、100g中に4700μgも含まれていて、抗発ガン作用や動脈硬化の予防に効果があることで知られていますが、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるともいわれています。

 「ビタミンB群」は、身体の中で新陳代謝の働きを助けると言われているビタミンです。

 さらに、「ビタミンK」は、カルシウムを骨に定着させる働きの他、血液を凝固させる成分の合成にも関わってる栄養素です。 また、「葉酸」は、DNAの合成や調整に深く関わっており、正常な細胞の増殖を助ける働きがあります。
 特に、妊娠前後の女性にとっては、胎児の成長に大量に必要とされるので、普段の必要量の約1.7倍摂取する必要があると言われています。



● バナナ

 安くて手間要らずでさっと食べられる「バナナ」。朝食は「バナナ」と1本とコーヒー、これだけで出勤という方も多いようです。
 また、テニスやゴルフなどスポーツの舞台では栄養補給の定番となっており、東京マラソンでもランナーにはバナナが配られたりします。

 果実の中で輸入量は第1位となっています。日本に最初に入ったのは今から110年ほど前の1903年。当初は台湾産バナナが中心で高級食材でした。1963年に輸入が自由化され、現在は主力のフィリピン産(90%超)を中心にエクワドル産、台湾産、インド産やベトナム産も出回っています。

 バナナには「カリウム」が豊富で、「食物繊維」や「フラクトオリゴ糖」、「マグネシウム」等も多く含まれています。
 カリウムは体内の塩分と結合し排出する働きがあることから塩分の取りすぎによる血圧の上昇を抑える効果があり、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病の予防に効果が期待できると言われています。

 また、マグネシウムは新陳代謝に欠かせず、消化酵素のアミラーゼを多く含むためエネルギーの吸収効率が良く、食物繊維やフラクトオリゴ糖が消化を促進し、便秘改善にも効果的だそうです。
 さらに、フラクトオリゴ糖には腸内のビフィズス菌を増やす効果があるとされ、普段からバナナを食べている人は大腸がんになりにくいとも言われています。

 生産量はインドが1位で25%近くを占め、2位が約10%の中国、3位が9%程度のフィリピン、そしてエクアドル、プラジルと続いています(2012年FAOSTAT調べ)。
 ちなみに、日本で消費されているバナナの99.9%以上が輸入されています。輸入先はフィリピンが圧倒的なトップで90%超を占め、次いで5%程度のエクアドル、台湾が1%程度となっています。



● キウイ

 キウイフルーツは、マタタビ科マタタビ属のつる性の植物で、原産地は中国の揚子江流域とされ、日本でも在来種にマタタビ属のサルナシという近縁種がある。 現在、キウイフルーツの最大の産地は中国、次いでイタリアやニュージラーンド、チリなどが主流で、日本ではニュージーランド産の輸入品が多くを占めているが、近年は日本国内の産地(主な産地、愛媛、福岡、和歌山などミカンの転作地が多いい)でも栽培され、スーパーなどでも目にすることが多くなっている。

 ニュージーランドでは、1904年に中国からキウイフルーツの原種が持ち込まれ、生育環境が適していたことから、品種改良され1950年代に、外国に初めて輸出される際に、ニュージーランド産らしい名前にしようということで、ニュージーランドの固有種で、国鳥でもある飛べない鳥「キウイ」に形が似ていたところから、「キウイフルーツ」という名前がつけられたと言われている。

 キウイフルーツは食物繊維(2~3%)だけでなくポリフェノール、脂肪酸、有機酸、プロテイン、ビタミンCやE、カリウムやカルシウムといったミネラルなどの栄養素を多く含んでいて、大腸の微生物生態(腸内フローラ)の改善により消化器系、便秘予防・解消などの改善に期待できると言われる。
 特に自然の消化酵素「アクチニジン」については「たんぱく質の分解と胃内の消化促進をすることによって消化緩和を改善する効果が期待できる。
 また、ミカン約3個分とも言われるほど豊富に含まれているビタミンCは、老化の原因とも言われる活性酸素を抑える抗酸化作用があり、食事により日常的に摂取することで、免疫システム機能をサポートし、疲労と倦怠(けんたい)感を軽減する効果が期待できる。
 さらに、若返りのビタミンとも言われるビタミンEも多く含まれることから、ビタミンC同様に抗酸化作用があり、ビタミンCとビタミンE、それぞれ単独でとるよりも一緒にとると相乗効果が高まり、抗酸化作用が強くなると言われている。

 ただし、アクチニジンやシュウ酸カルシウムを多く含むため、キウイフルーツやその他の果物がアレルゲンとなり、口腔アレルギー症候群などのアレルギー反応が起きる可能性があるため、人によっては注意が必要です。

 キウイフルーツというと、以前はグリーンキウイが主流でしたが、近年はゴールドキウイが甘くておいしく人気があります。ゴールドキウイは、日本人向けに開発されたそうで、甘く柔らかいのが特徴。
 ビタミンCは、グリーンキウイよりもゴールドキウイの方がやや多く、食物繊維はグリーンキウイの方がゴールドキウイよりも多く含まれていて、両品種ともに、食べ頃に熟したものがビタミンCが多いそうです。

 国内産のキウイの旬は、品種によって異なるが概ね10~1月ころ、ただ輸入品もあるため年間を通して店頭に並んでいる。