2014年4月20日日曜日

春雨降りて百穀を生む

ベニハナミズキ 2014.04.20
本日は、二十四節気のひとつ、「穀雨(こくう)」、『暦便覧』には、”春雨降りて百穀を生化すれば也”とある。
  暦通りに、霧雨が時々降る、肌寒い一日となった。

 晩春となり、田んぼや畑の農作業の準備も整い、それに合わせるように、柔らかな春の雨が、田畑を潤し穀物の成長を助ける。

 春雨が煙るように降る日が多くなり、各地では稲の苗代作りが盛んになる頃。穀雨を過ぎると変わりやすかった春の天気も安定し、日差しも強くなり、関東以西では汗ばむ陽気となる。春の季節最後の二十四節気である。

 新緑も色を濃くし、春がたけて万象の装いは、春深い感じを漂わせる。 来週には夏も近づく「八十八夜」となり、華やかだった桜の季節もあっという間に終わろうとしている。

 まさに春の果てようとする頃、過ぎゆく春を惜しむように、俳句では「行く春(行春)、暮れの春(暮春)、春惜しむ(惜春)」などと表現される。

  行春の 去りし棚田に 雨けむる   (裟来)



”行く春や 鳥啼き 魚の目は泪 ”     (松尾 芭蕉)

”行く春を 近江の人と惜しみける ”    (松尾 芭蕉)