2014年2月5日水曜日

冬が旬の野菜/くだもの


● 白菜(はくさい)

 寒くなると鍋物を食べる機会が増えます。その鍋物に欠かせないのが「白菜」です。原産国は中国ですが、日本には江戸末期に入ってきて大正時代から全国に普及したと言われています。

 全国各地で栽培されていて、施設栽培の普及や、栽培技術や品種改良などで、寒冷地、高原地での栽培が普及した結果、産地を変えながら一年中出回っていますが、11月から2月頃の冬場が旬です。 特に霜が降りる頃の白菜や、雪の中に保存した物などは一段と甘味を増し、より美味しくなります。

 茨城と長野が2大産地で、両県で全国の約5割を生産しています。
 
 栄養豊富であり、余分な塩分を排出するカリウムを多く含み、高血圧予防に役立ちます。また、骨を丈夫にするカルシウムやビタミンKのほか、風邪予防に効果があるビタミンCも含まれています。ほとんどが水分でカロリーが低く、ダイエット食品としても効果的です。

 店先で選ぶ際は、葉が縮れていて、しっかりと巻き、ずっしりと重いもの、これが良いそうです。カットしたハクサイの場合は、新しいものほど芯の辺りが盛り上がっていませんので、平らなものが良いそうです。



● 大根(だいこん)

 鍋物やおでん、ぶり大根、ふろふき大根・・・等々、寒い時期に体を温めるのにもってこいの食材「ダイコン」の出番が増える季節となりました。

 春の七草の一つ「すずしろ」として知られる「大根」。鍋料理やおでんなど日本人の食卓には欠かせない野菜です。薬草であり、ジアスターゼなど消化酵素を多く含むことから、食べ過ぎで疲れた胃にはうってつけ。血栓防止作用や解毒作用があるそうです。

 大根は中国から伝わり、栽培が簡単なことから江戸時代に各地に広がりました。スーパーなどの店頭に並んでいる大半は根の上部が淡い緑色をした「青首大根」で千葉などが主産地ですが、その他にも肉質がきめ細かい神奈川の「三浦大根」や世界一大きい鹿児島の「桜島大根」など全国に様々な種類があります。

 一般的には、大根は葉に近い上部の緑色の部分は甘みが強く、おでんや煮物向け。先端の下の部分は辛味があり、大根おろしによく合います。また、葉には鉄分やビタミンAなど栄養素が多く含まれています。店先で選ぶ際は、張りとツヤがあり、葉が青々してみずみずしいもの、ずっしりと重いものが良いそうです。


 様々な品種のダイコンがありますが、最も多いのが葉のついている首の部分が緑色をした「青首大根」。葉に近い部分は硬いですが甘みがあるので細切りにしてサラダにすると美味しく、真ん中の部分は軟らかく煮物などに向きます。

 先端は辛みが強く軟らかいので、おろして食べるのが良いようです。尻尾の部分にクレンザーをつけて、ステンレスのシンクや包丁を洗うと傷がつかずピカピカになります。

 消化酵素のアミラーゼを含みビタミンCも豊富。昔から風邪を引いたときに食べるとよいとされてきました。もっとも、酵素は熱に弱いため効果を最大限に生かすためには生で食べます。葉もカロテンやビタミンC、カルシウム、食物繊維などを多く含んでいます。

 ちなみに、葉がついたものを買ったときには、すぐに葉を切り離すことが重要だそうです。そのままにしておくと葉が根の養分を吸い取ってしまうからです。




● 小松菜(こまつな)

一見、ホウレン草に似ていますが、カルシウムはホウレン草の5倍、カロチンやビタミンC、鉄分等が豊富で非常に栄養価が高い『小松菜(こ まつな)』。霜が降りる今頃、甘味が増して最も美味しくなります。

都市近郊での栽培が盛んで、主産地は東京、神奈川、埼玉など関東地方での生産量が約8割を占めており、消費量も最も関東が多くなっています。

栽培されたのは江戸時代からだそうで、徳川第8代将軍の吉宗が、小松川(東京)の近くでこの野菜を使った汁を食べたことが名前の由来とされています。(5代将軍綱吉との説もあります)。

この小松菜によく似たものに愛知県や岐阜県など中部地方の伝統野菜『もち菜(もちな)』というのがあるそうで、名前の通り、お雑煮(おぞうに)に入れる「餅(もち)」との相性が抜群だと言われています。「花かつお」をふりかけて食べるシンプルなお雑煮も忘れられない一品ですが、残念ながら関東地方には、出荷されていないそうです。



● カリフラワー

 「花野菜」とも呼ばれ、晩秋から冬にかけて旬を迎える「カリフラワー」。

「ブロッコリー」と似ていますが、「ブロッコリーは緑色」で「カリフラワーは白色」といった具合に見分けがつきます。
 最近は品種改良でオレンジや紫色のカリフラワーも登場しており、食卓に彩りを添えてくれます。原産地は地中海沿岸。日本に入ってきたのは明治初期で高度経済成長期の食生活の多様化に伴い、急速に普及しました。

 現代人に必要なミネラル、食物繊維、そしてビタミンCを多く含み、ゆでた時の損失分が他の野菜に比べて少ないのが特徴で、美肌やがん予防効果が期待出来ます。

 鮮度が落ちやすいので早めの調理が必要で、選ぶ際はつぼみの締まりが良く、ずっしりと重みがあるものを選ぶと良いそうです。


● 牛蒡(ごぼう)

ゴボウは、日本人に馴染みの野菜で古くから食べられていましたが、食物繊維が豊富なことから最近は健康野菜としても見直されています。
冬の野菜として煮物や鍋物に欠かせない食材で、熱いご飯に甘辛い味付けの「金平ごぼう」も、また格別です。

 定番の「金平ごぼう」のほかにも、低カロリーのためここ数年はサラダへの利用も広がっており、これもまたなかなか美味です。

収穫量の約4分の1を占める最大産地は青森県で、世界的に見ても、根を食べる野菜は珍しく、日本以外では台湾など一部地域で食べられているだけだそうです。

 特に注目されるのは野菜の中でも特に多く含まれる食物繊維。腸内を浄化する効果があり、腸のぜん動運動を促進することから便秘に大変効能があり、また腸内の発ガン物質など有害物質を吸収してくれるので大腸がん予防にも効果があるとも言われています。

 ゴボウの香りや風味は皮の部分にあるため、皮を厚く剥くのはNG、付着している土を丁寧に洗い流し包丁の背で軽く剥くくらいが良いそうです。



● リンゴ

 ミカンと並ぶ冬の果物といえばリンゴですが、『1日1個のリンゴで医者いらず』とも言われる通り、食物繊維やカリウムが豊富で、生活習慣病予防や胃腸の働きを促進する効果があります。

 リンゴを丸かじりすると、噛むことで歯肉がじょうぶになり、唾液の分泌もよくなって虫歯や歯肉炎などの予防効果があり、さらに大腸がん予防や便秘の解消・・・等々、幅広い効用があり、貴重な果物と言えます。

 果汁が多い「ふじ」、大き目の「陸奥(むつ)」、甘みが多い「つがる」、甘酸っぱい「ジョナゴールド」や「紅玉(こうぎょく)」、貯蔵性に優れた国光(こっこう)」、黄色種の代表「ゴールデンデリシャス」や「王林(おうりん)」・・・等々、様々な種類がありますが、選ぶ際は皮の色が濃く、ツルの周辺のくぼみが深いものが果肉が詰まっていて美味しいそうです。歯が弱い方は、すりおろしリンゴやリンゴジュースといった方法があります。

 国内生産量では青森県が6割近くを占めてトップ、2位は長野県で約18%、3位は岩手県で約6%。世界の生産量では、中国が断トツのトップで2位はアメリカ、3位はトルコとなっています。




● みかん




● 八朔(ハッサク)

 2月から3月にかけてが最も美味しい「ハッサク」。漢字では「八朔」と書 き、旧暦8月1日を指します。ただ、旬の時期とずれており、その名前の由来 は不明です。

 江戸時代末期に瀬戸内海に浮かぶ因島(現・広島県尾道市)の寺で偶然実っ ていたのを住職が発見したという逸話が残っています。
 現在は和歌山県が国内 収穫量の6割以上を占め、発祥地の広島県、愛媛県が続いています。

 ハッサクはビタミンCや葉酸、カリウムなどを多く含んでいますが、特に注 目を集めている成分が「オーラプテン」です。
 京都大学や医療機器メーカーの 研究で血中のコレステロールを低下させる働きが確認され、健康食品やサプリ メントの原材料として利用されています。