日向地区洗水 2013.09.18 |
1メートルから3メートル余りに達するイネ科の多年草。
古くは萱(または茅)と呼ばれ、普通萱葺屋根(かやぶきやね)というのは、このすすきを材料として葺かれた屋根のことである。
葉は剣状で、ふちには鋭い細鋸歯が並んでいて、素手で扱うと往々にして手を傷つけることがある。
秋も九月をすぎると、稈頂に中軸からわかれた黄褐色もしくは紫褐色の十数枝からなる花穂を出す。 花穂の長さは15~40センチにも達し、あたかも中天にひるがえる感じで、風が吹けば一方になびく。
花穂は「尾花」と呼ばれ、秋の七草の一つに数えられ、その大きなものを、特に「十寸穂の芒(ますほのすすき)」という。
丘や堤上に株をなして叢生しているのも見事だが、野一面、山一面をおおうて茂り、風に吹かれてなびき光るのは、ことに壮観で、「芒原」、「芒野」などとも呼び、秋を代表する景観の1つを形成している。
ただ、なんとなく寂しさや、哀れを誘うのは、秋の夕暮れ、穂をゆらす秋風・涼風の所為だろうか。
” かるかやの 穂にうすうすと 遠き雲 ” (石井 几輿子)
” をりとりて はらりとおもき すすきかな ” (飯田 蛇笏)
” なにもかも 失せて薄(すすき)の 中の路 ” (中村 草田男)
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