2013年9月12日木曜日

なんでもない道がつゞいて曼珠沙華

日向(洗水)地区 2013.09.12
伊勢原市の日向地区周辺で、今年も「彼岸花」が咲き始めました。

 まだまだ見頃には少し早いが、ポツリ、ポツリと咲いている様が、黄金色に色づいた稲穂に映え、秋風の心地よい透明感が、季節の変わりを感じさせてくれる。

 彼岸花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。中国からの帰化植物といわれ、種子で増えることができない事から、株分けで日本各地に広まったと考えられている。

 「彼岸花」は、秋のお彼岸の頃に咲くことからこの名が付いたとも言われ、その他に「死人花(しびとばな)」、「幽霊花(ゆうれいばな)」、「捨子花(すてごばな)」など、多くの異名を持つ。


 地中から突如として出た妖艶な花の赤色が、死人の血の色を連想させるからか、不吉で忌み嫌われることもあった。
 鱗茎部に毒の成分を含んでいたことから、古くから田畑の野ネズミやモグラなどの虫除けや、土葬による遺体を動物などにより荒らされないために、墓地や田畑の周辺、河川・湖沼・池の堤防などに植えられたのも関係しているのかも知れない。

 また、別名を「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」とも言い、仏教の梵語で”天上に咲く花、赤い花”などの意味を現し、めでたい兆しとされることもある。
 最近は、「彼岸花」が一般的に使われることが多いいが、年配の人には「曼珠沙華」と言ったほうがピンとくるかも知れない。



 ”天上へ 赤消え去りし 曼珠沙華”   (右城 暮石)


 ”なんでもない道がつゞいて曼珠沙華”   (種田 山頭火)