2013年8月5日月曜日

夏が旬の野菜/くだもの


● トマト

 初夏の陽気が広がり、冷やしたトマトが美味しい季節となりました。この時期のトマトの魅力は何と言ってもみずみずしさで、秋の濃厚な味のトマトとはまた違った味わいが楽しめます。

 現在は、施設(ハウス)栽培により一年中、スーパーなどの店頭に並んでいますが、露地物は梅雨明けの6月から8月が旬といえます。 昔は頭の部分に緑色が残った状態で、甘味の中に少し青臭さが残るため、トマトが苦手な子供も多くいたが、近年は品種改良がされ、ミニトマトやフルーツトマトなど多くの品種が栽培されている。

 ただし、トマトは南米のアンデス地方の乾燥した高地が原産といわれ、本来、高温多湿の日本の夏の風土には適さないものであり、近年は栽培方法や品種改良により、本来の環境に近い春から初夏(3月から5月)と、秋に収穫したものが味も栄養価も高いと言われている。

 代表的な品種は「桃太郎」で、遺伝子操作により改良されたもの、全体が見事に赤くなり、果肉がしっかりしていて収穫後も、昔の品種に比べ保存期間が長くなり、糖度も高くなって青臭さが少なく生食用はもちろん、あらゆる料理に向きますが、初夏の時期はやはり、シンプルに冷やして切り分けて食べるのが美味です。

 ヨーロッパのことわざに、「トマトが赤くなると医者が青くなる」とありますが、Bカロチンをはじめ、リコピン、ビタミンC・E、ミネラル、食物繊維などトマトには毎日の健康維持にもってこいの要素が豊富に含まれています。 野菜の優等生といえる。

 スーパーなどの店先で選ぶ際には、皮に張りがあり、ずっしりと重くて均整のとれた丸いものを選ぶのがコツです。また買ったトマトをおいしく保存するためには、真っ赤なトマトはそのまま冷蔵庫へ、緑色が残っているトマトは室温で赤く熟させてから冷蔵するのがよいです。



● キュウリ

 夏野菜の代表の一つ「胡瓜」(きゅうり)が本格的に出回り始めた。
 成分の9割が水分で、ギネスブックには「世界一栄養がない果実」として堂々1位に挙げられている。

 栄養価としては、表皮のグリーンにβカロテンが僅かに含まれている程度、但しカリウムを比較的多く含んでいるので、ナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果があります。 また、利尿作用もあるので、体内の水分量を調節し、むくみの解消にも効果的だとも言われている。

 きゅうりには身体を冷やす働きがあると言われ、暑い夏が旬なだけに、熱くほてった身体を冷やし、その触感が食欲を刺激する効果もあり、夏バテ対策として良いそうです。




● ピーマン

 連日の異常とも言える暑さで夏バテぎみの方も多いいかと思いますが、疲労回復に効果的なのが「ピーマン」だそうです。

 今ではハウス栽培で1年中出回っていますが、本来の旬は夏。唐辛子を品種改良し、食べやすくしたのがピーマンで、蒸し暑いこの時期には目に鮮やかな緑が食欲を与えてくれます。

 ピーマン100g中のビタミンC含有量は約80mgと豊富で、中ぐらいの大きさのピーマン4個で1日に必要なビタミンCがとれるそうです。

 しかも、ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴。夏バテ予防に試してみる価値がありそうです。
 選ぶ際には、色が濃くて表面にツヤがあり、果肉が厚めのものが良いそうです。



● オクラ

 「秋葵」と書いて「オクラ」と読みますが、今その露地栽培の「オクラ」が旬を迎えています。
 独特の「ぬめり」があり、栄養価の高い夏野菜である。

  この「ぬめり」成分は、ベクチン等の食物繊維で、整腸作用やコレステロールを減らす作用や血糖値の急上昇を抑える効果があるとされ、糖尿病の予防にも役立つと言われる。

 また、カルシウム、鉄分、カロチン、ビタミンA・Cが含まれており、夏バテ防止、便秘・下痢に効く整腸作用などが期待できる。

 選ぶ際には、緑色が濃く、表面の産毛がびっしりと生えたものを選ぶのが良いそうです。



● ゴーヤー(またはゴーヤ、ニガウリ)

 古くは中国から渡来したゴーヤーは沖縄で根付き、今では全国的に代表的な夏野菜のひとつとして定着しています。

 ビタミンCが豊富で、含有量はキウイ以上。ガン予防や眼精疲労、疲労回復などにも効果があるカロテンも含まれています。 また、苦み成分には胃の粘膜を保護したり食欲を増進する効果の他、気持ちをシャキッとさせる効果もあります。

 旬は6月から8月頃まで。 選ぶ際は、太くて緑色が濃く、全体の色が均一なもの、イボに張りがあり、細かく密になってつぶれていないものが新鮮で、表皮が黄色くなったものは熟れすぎだそうです。

 また、大型で果皮の緑色が薄く、イボの凹凸が大きいものは苦味が少なく、イボの凹凸が細かいものは苦みが強いと言われます。

 陽射しを遮る緑のカーテンとして利用する場合は、そろそろ種蒔きの時期で、苗の場合は5月中旬頃から6月上旬にプランターに植えるのが良いそうです。ただし、あまり早く植えてしまいますと、残暑の時にカーテンの恩恵にあずかれない可能性があるとのこと。

 ちなみに、一般的には「ゴーヤー」や「ニガウリ」で通りますが、正式な和名は「ツルレイシ」です。発汗作用があり、涼を呼ぶとして「涼瓜」の名も持ちます。



● チンゲンサイ

 中国語で「青梗葉」と書く「チンゲンサイ」。今ではハウス栽培が盛んで1年中出回っていますが、暑さに強く、青物野菜が全般的に品薄となるこの時期に露地物が収穫されます。国内の主力産地は静岡県です。

 ハクサイやカブと同じアブラナ科の植物で、中華料理の代表的な葉物野菜として普及。日本では1972年日中国交回復の中国野菜人気にのり、「タアサイ」とともに広がりました。

 あくが少なく、味に癖がないため肉と相性がよく、炒め物や煮物など調理方法は多彩。中華料理だけでなく、西洋料理から日本料理まで幅広く取り入れられています。アルカリ性のミネラルが豊富な緑黄色野菜で、ビタミンAやCが豊富な健康野菜としても知られ、夏風邪の予防に効果があるとされています。

 スーパーなどで選ぶ際は、葉の緑色が鮮やかでハリのあるものが良く、葉が黄色っぽくなっていたり、葉の茎の部分が筋っぽいものは古いので避けるのが良いそうです。



● とうもろこし

 トウモロコシ、漢字で『玉蜀黍』と書きます。
 5月から九州産が出始め、現在は関東産が中心、そして8月下旬からは北海道産が主流となってきます。
 栄養豊富でビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEなどのビタミン群、リノール酸、食物繊維、そして
カルシウム、マグネシウムなどの各種ミネラルがバランスよく含まれ、特に食物繊維の量は他の野菜や穀類と比べて多く含まれています。

食用にされるのは甘みの強いスイートコーンで、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。収穫後も糖分を使って呼吸し続けるため、鮮度が落ちると甘みが減ります。
 そのため、購入後は早めに調理する必要があります。その日に食べてもらえるように多くの農家は夜明け前から収穫し、朝早い時間に出荷しています。

 ゆでて食べるのが一般的ですが、ラップに包んで電子レンジで4~5分過熱するだけでも食べられ、これが水分や甘みが逃げない美味しい食べ方だそうです。

 ちなみに、トウモロコシは小麦・米と並んで「世界三大穀物」の一つであり、世界全体の生産量のうちアメリカが4割を占める最大生産国です。2位は中国、3位はブラジルです。
 日本は世界最大の輸入国であり、輸入量の9割をアメリカに依存しています。また、日本国内で消費される75%は家畜の飼料用として使用されているそうです。



● 枝豆(えだまめ)

 ビールのおつまみの定番と言えば「枝豆」。今、その「枝豆」が最も美味しい季節です。

 今では1年中冷凍品が食べられますが、7~8月が本格的な旬です。日本では栄養豊富な食品として平安時代から食べる習慣があったそうですが、最近では米国でも健康食品として注目が集まっています。

 たんぱく質やビタミンB1、B2、カルシウム、食物繊維を含んでおり、ビタミンB1にはアルコールの分解を促す働きがあり、ビールのつまみにはもってこいです。

 枝豆を美味しくゆでるコツは、4%の濃度(水1リットルに塩40グラム、枝豆250グラム)で3~5分ゆでることだそうです。枝豆の場合、4%が最もバランスがとれた濃度であり、硬くならずに軟らかいまま、さらに水分を失わないので「プリプリ」、「ふっくら」。とても美味しく出来上がるそうです。



● 紫蘇(しそ)

 シソは、「紫の葉で蘇(よみがえ)らせる」と書いて「紫蘇」となり、中国では人を生き返らせる力のある植物とされています。せきやたんを鎮める効果があるとされ、強力な殺菌作用や防腐効果はよく知られていますが、最近では抗アレルギー効果が注目されています。

 また、栄養価が豊富で特にビタミンAやCが多く、カリウム、カルシウムなどミネラルも含まれ、砂糖と水で煮出して薄めて飲むと疲れを和らげる効果もあるそうです。

 葉が緑の「青ジソ」と紫の「赤ジソ」に大別され、「青ジソ」の葉は「大葉」とも呼ばれ、元来の旬は夏。その香りと殺菌作用から刺し身のツマなどに適していますが、天ぷらや麺類の薬味など幅広い用途に使われています。

 一方、「赤ジソ」はシソジュースにしたり、梅干しを着色するのに使います。

 出回りますのはやはり初夏から7月。最近は、シソジュースブームで「赤ジソ」の人気が高いようです。

 スーパーなどで選ぶ際は、色鮮やかで、葉がみずみずしく、葉先までピンとしているものを選ぶのが良いです。表面が乾燥しているもの、傷のあるもの、軸の切り口が黒く変色しているもの、葉が茶色くなっているもの、黒い斑点が出ているものは避けた方がよく、また、大きくなりすぎたものは味も香りも余りよくないためやはり避けたほうがよいです。



● ブルーベリー

 夏の果実『ブルーベリー』が出荷の最盛期を迎えています。程よい甘さと酸味が魅力で、特に「アントシアニン」という色素が目の疲労を癒やす効果があるとされ、人気が高いです。食物繊維やビタミンも豊富に含んでいます。

 その「アントシアニン」を調べてみますと、青色や紫色、赤色の色素成分であり、「抗酸化物質」であるポリフェノールの一種とのことです。眼球内の毛細血管を強くして、血流を改善し、目のすみずみまでに酸素や栄養成分を送り、眼のピントを調節する毛様体の働きをよくし、疲れ目の回復などに効果があるそうです。

 また、「抗酸化物質」とは、その名の通り酸化を防ぐ事ができる栄養素であり、活性酸素による細胞などへの攻撃を防いでくれる働きがあるそうです。
野菜不足の人はその「抗酸化物質」が不足して活性酸素の攻撃に対して人体が無防備となり、細胞やDNAが損傷して老化を早めてしまったり、がんや心臓病といった病気になるリスクが高まるそうです。

 ちなみに、ブルーベリーを選ぶ際は、ブルームと呼ぶ白い粉が豊富についている方が鮮度が高く、また青紫の色が濃く、皮に張りのあるものが良いそうです。