2013年8月7日水曜日

立秋:秋来ぬと 目にはさやかに見えねども


栗の実
暦の上では本日が「立秋」。つまり今日から秋に入ったことになります。
 二十四節気の一つ、現行暦では8月7・8日ころにあたる。
 立秋は夏至と秋分の日のちょうど中間にあたり、昔の暦ではこの日から立冬の前の日までが「秋」とされていました。

 暦のうえでの「秋」は、陽暦(現行暦)で言う、8月、9月、10月に当るが、気象学的には9月、10月、11月とし、旧暦(陽暦より約1ヶ月ほど遅れる)で数えたほうが生活実感に合っているような気がする。

 本日を境に季節の候が「暑中見舞い」から「残暑見舞い」となりますが、実際にはこれからが、夏の暑さのピークとなる頃でもある。
 
 昨日までの梅雨のもどりのような天候から、一変して真夏の太陽が戻って、全国的に猛暑がぶり返し、秋を実感するのはもう少し先の話になりそうです。

 とは言っても、暑い日がずーっと続くわけではなく、季節は
着実に変化していきます。 北国や東北・中部山岳地方では夏もそろそろ峠を越え、秋に向かう気配がどことなく感じられる。
 
 昔からのいいふるされた言葉ではあるが「暑さ、寒さも、彼岸まで」、お盆を過ぎた頃より徐々に朝晩の風にも涼しさが感じられてくるでしょう。

水稲
稲の花
稲の花

 田んぼの稲も田植えから約2ヶ月、今年も白くて小さくかわいい花が咲き始めました。
秋の収穫までもう少し、今年も美味しいお米がたくさん採れますように!
 ちなみに「稲の花」は、俳句では秋の季語になっている。


「 湯治二十日山を出づれば稲の花 」          (正岡子規)


                           ◇

「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる」(古今和歌集、藤原 敏行)

とうたわれたように、水の流れ、雲の色、風の音、もう秋の気配がそこかしこにあるはずです。

 この歌を詠んだ古人(いにしえびと)のように、ほんの僅かな風の変化にも、秋の訪れを感じることができる感受性を持った日本人が、現在の日本にどれくらい生き残っているのだろうか。

 折角、この四季の豊かな日本に生まれたのであるから、季節のうつろいを精一杯楽しむ事にしよう。 人生は、思ったほど長くはないものである。 毎年、毎年、秋はやって来るが、一度として同じ秋はないのです。